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2014年2月 2日

うみねこのなく頃に 戦人犯人説 幾子ヤス説 のアンチミステリー解釈などネタバレ

なぜかいまだにうみねこの真相をググってさまよってここにたどり着く人が多い
うみねこのなく頃に 戦人 犯人、などで探している模様
それだけ何か漫然と納得のいかない人も多いんだろうか…?
コンシューマ版のうみねこが完結したことも影響しているのかもしれない、それにしては長いが

で、あれから今でも時々うみねこの事を考えるのですが(私はうみねこのなく頃にが大好きなのです)
前のレビューでは戦人犯人にしたいがために非論理的に文章書いてたなという気もしたので
落ち着いた今もう一度あの話はどういうことだったのだろうかと思い返してみる

もうかなり経ってるしうみねこのネタバレずらずら書きますが一応注意
(虚無の供物という昔のアンチミステリ小説のネタバレ?も含みます)

まずEP8の現実世界に見える部分は現実じゃなく物語なので
現実世界の平文では嘘がない、が適用できないのではないかという事を考えました
根拠の拠り所は現実世界で赤字(一なる真実の書に真実が書かれていると告げる)がある事
そもそも幾子と縁寿自体現実では会っていないのに会った現実風物語シーンがあるので
現実シーンに見えるシーンでも実際の現実ではないというのはあるのではないか
これで漂流戦人が幾子に拾われた現実シーンがある=これまで嘘としたら何も信じれない、というのは
EP8自体犯人の描いた物語だから都合の悪い部分は嘘、と言えなくもないのかなあとも
(それでは何も信じられない、という事については本当に、どう反論していいかは難しいですが)

各エピソードってどこまでがどういう物なのかという事も改めて考えさせられました
前節で幾子と縁寿が会ったシーンが物語部分だとか言っておきながらそれを根拠にするのが何ですが
幾子の書いた初公開の偽書を読んだ縁寿が「勝手に私を登場させて面白おかしく書きやがって」云々と
言うシーンがあるので、これにより上位シーンに当たる部分(縁寿が飛び入って戦人を助けるシーンなど)が
それまで公開された部分(ボトルメールや世の中に出回っている偽書)には無い事が伺えます
ボトルメールEP2も魔法記述(密室で朱志香と嘉音が殺されて嘉音だけ消えるシーンとか)は書かれていても
上位シーン(戦人がベアトと犯人当てで論戦するシーン)とかは公開されていないのでしょう
つまり赤字などの絡むシーンは全部世の中に出回ってない幾子の偽書なのではないかと、
EP3の中核のベアト戦人がエヴァと戦うシーンなども全く世の中には出てないんじゃないかな?と思うのです
特にEP3から上位シーンを抜いてしまうとかなり印象が変わる気がします(絵羽が銃を撃って戦人を殺して終わる?)
またEP4以降はどう公開されたものなのか、どこまで公開されているのか良くわからないですが
全体を通してベアトと戦人が上位世界で争うシーンは幾子が書いた追加エピソードみたいなもので
縁寿が読むまで全く世の中に出てなかったように見受けられます(シーン自体が創作なので何とも言えませんが)
事件の真実とは直接関係ないまでもこの辺のことはやっぱり物語上理解しておかないといけない気もします

また作中での真実隠しの理由には「陰惨な事件だったものの爆発事故で全滅という結果しか残っていない以上
創作なら幸せな家族だった事にも出来るので死者と遺族の為にもそういう事にして欲しい」という戦人の願い
という理由付けがされているのですが戦人犯人に思えてしまうのはその執拗な真実隠しが胡散臭く見えるせいもあるし
作中で戦人の両親が虐殺の初陣を切ったという描写と生き残った絵羽が縁寿に真実を告げられないという事で
戦人両親の犯行が真実=ベルンの明かした真実が正しそうな上に、何らかの方法で戦人が脱出艇を見つけている
=描写では早々に死んだベアトが魔法EDの脱出シーンと同じく生きていたのではないだろうかという辺りや
(銃で至近距離から撃たれた絵羽が怪我で済んでるので空砲などになるよう銃に細工があったのではないだろうか?)
ベアトが入水自殺し戦人が後を追った=六軒島にベアトとしての自分と戦人としての自分を置いてきた二人の描写で
それが戦人の記憶喪失設定ならヤスがベアトを捨てて幾子になっててもおかしくないのでは?と思える事
唐突に出てきた謎の人物八城幾子よりも脱出艇まで用意していたヤスが脱出後の生活基盤として作っておいた別荘
偽名等が八城幾子になったと思った方が理解できる、10億円の入ったカードや遺族へのプレゼントなどもある
ヤスが生きているなら戦人が生存者として名乗り出れないのも分かりやすい(共犯か支援者だから)事もあって
真実隠し=ヤスが生きていて戦人が共犯か支援者、という構図に見えるのも大きいと思う
時効後に出てきた事もあるし絵羽が生きている時には偽書EP3を八城一八が公開している理由や
絵羽死後に留弗夫夫妻犯人説が巷に上った途端「犯人探しは下衆の行為」と言いだしたり
一なる真実の書公開騒動を起こしたりして火消しを行っているのも怪しく見えてしまう
(騒動は赤字が出るので「現実風物語」という論拠とこの部分では相反してしまうのですが)
また一なる真実の書が絵羽の描いた日記であるとは言っていないが真実が記されているとは赤字で言っている
=真実を描いた幾子(一八)の偽書でも可能、という点も何か含みがあるような気がしてしまう

幾子がヤス説については作者は一応否定はしていない
対談謎本の著者が作者と対談の中で幾子はヤスとは思えないという旨の趣旨の内容を書いているけれど
ほぼ明確に否定しているのは手品エンドの縁寿が戦人犯人かもしくは家族が犯人にまでたどり着いている事だけ
作者は手品エンドの縁寿は相変わらず絵羽を犯人だと思っているのでBADENDだろうと書いている
そういう意味では幾子ヤス説にはまだ生存の余地があるように思える
そんな説もあるよね的に作者の歯切れが悪い理由がわからないのがちょっと難しいが
虚無への供物と同じく「物語中で解ける犯行を解決せず事故だったとして完全犯罪で終わってしまう」ネタとみれば
話の根幹にかかわる最後のネタバレになるので明かせず歯切れが悪い、とも言えなくもない…のか?
虚無への供物も「アンチミステリ」と呼ばれているしそういう解釈ならば正しく「アンチミステリー」なのではないか?とも
(私はアンチミステリーとは解ける犯人を上げず物語もミステリーではなかった風に完結する事だと解釈しているので)

ここで度々書く余談でEVE burst errorという剣乃ゆきひろの作品もアンチミステリーなんじゃないかと思っていて
この手のアンチミステリ(候補)は「そう読むと犯人が別に居るように見える」という謎本的解釈論になってしまい
作者が正解を公言しない限り「それは考えすぎで物語の結末が真実である」という声の方が一般的になって
普通の読み方が正しいのか穿った読み方が正しいのか、分からなくなってしまう
そして普通の読み方の物語を覆そうとしても作者の正解という錦の旗がない以上証明ができないのでとても難しい
剣野ゆきひろさんもEVEの犯人について、あれが間違いの犯人を上げる物語で真犯人が別に居るかどうかは
恐らくどこでもコメントしてないまま亡くなられたので真相は闇の中になってしまった気がしますし
(そもそも前述のようにそんな読み方自体が穿ちすぎの考えすぎ、という懸念も捨てられない)
うみねこについても結構な人数の人が「もやもやした何か」を抱えていてもそれが作者の意図した物なのか
一般的に言われているような作者の物語の不出来によるものなのかがどうにも証明できない
そういう意味ではやはり作者にアンチミステリか否かをどうしても公開してもらいたくなってしまうのです

幾子ヤス説は恣意的な論拠の考えすぎな話なのでしょうか…どう思うでしょうか?

2011年12月10日

ここしばらくの感じ

秋口入った辺りからだるさがきつい感じで
それまでそこそこ3Dいじったりお面作業したりできていたのが
急に出来なくなってずっと寝込んでいます
夕姫のお面を送るという話もあって準備進めたいのですが
なかなか動けずにいます、元気が出てほしいです

ここ最近見てるアニメ
Fate、ピングドラム、あと撮り貯めていたベントーを2話だけ見ました
ピングドラムとは家族の愛の象徴の林檎のこと、という落ちでしめるのかな
ベントーは左京さんおすすめだけあって面白そうな感じです
お色気アニメ好きなので、あと機会を作ってペルソナも見たいです

新しいノートPCが届いて録画してあるtsファイルを再生しても
パワーが十分な環境になった筈なのですが
何故か動画再生時に音声にプチノイズが乗るのが困っています
再生バッファ取ると改善したり有線LANにすると改善したりするので
無線LANのドライバかなんかの影響な気がします
オプションをWimax入りのIntelボードにしたのですが蟹ボードよりダメとは…
取りあえずプチプチ言わせながら無線でアニメなどを消化したりしていました
映画のタイムラインのフランソワが無駄死になのが可哀そうでした

あとInternetExplorerでCtrl+ALT+F4のショートカットが効きません
何かの常駐ソフトが上書きフックしてるんじゃないかと思うんですが…
こういう時何が影響してるのか知る方法が無いか知りたい所です
その他のタブを閉じるマウスジェスチャのかざぐるマウスに登録してるんですが
無いと意外と不便です、今は仕方なくChrome使っています

画面タッチありのPCはIBMの乳首でスクロールバーつかむのが大変な時に
直でバーを指で動かせるのは便利かも?とも思うのですが
キーボードから手を放して画面に手を持っていく手間と
あのポインティングデバイスで調節しながら細いバーを掴むのとで
どっちもどっちだなーという印象、キーから離さない分ポイントの方が楽かも?
筆圧は結構いい感じで反応してくれているみたいですが
今のところ生かせるような作業をしていません
おまけで入ってるタッチセンサー用ゲームがしょぼいけどちょっといい感じ
水を押しやって折り紙の箱舟を流すゲームが嘘っぽい日本ぽさでよかったです

2011年11月29日

いまさらの輪るピングドラムの感想

初めピングドラムを見始めた頃は直前のSTAR DRIVERの印象もあって
幾原監督演出は凄いけどシリーズ構成榎戸に当たる人物が居なくてテンポが悪い感じで
幾原は榎戸が居ないと辛いのに榎戸は幾原が居たらこんな感じだろうという
一人でもやっていけるのではないかな、という印象でした
それ位最初の頃のテンポは悪かった、8話辺りからグッと加速したように思う

最近のお話に限って思ったことを話すと
子供ブロイラーは社会に適応するための通過儀礼なんじゃないかとも思える
作中では親に見限られる事で子供ブロイラーに送られることになって
誰かの特別になることでそこから脱出できるように描かれているけれど
透明になって混ぜられて特に誰でもない代わりのきく社会に溶けた人間になる事を
子供ブロイラーという形で目に見える機関として表現しただけの
実際の現実の世界の暗喩なんだろうな、という感じではある
この解釈ならば父親の演説はオウムというよりは酒鬼薔薇聖斗を思わせる

Penguin forceからKIGA GROUPになっても活動を続ける辺りはオウムとアーレフを思わせるけれど
しかしオウムってそんな社会に対して変革を求めてテロを起こしたような団体だっけ?
オウムはハルマゲドンが来る時に自分たちが超能力者の長として戦うための団体で
社会を敵に回したのは変革を求めるためではなく自分達を理解しないものを排除する為だった筈
明確にオウムとの関係は書かないだろうけれど
運命の乗り換えで世界が変わる前が現実のオウムの世界で
乗り換えた先がオウム>ペンギンに変質したピングループの世界という解釈?
実際には地下鉄サリンが起きるはずだった世界がモモカの運命の乗り換えによって
ピングループの爆弾テロの世界(被害が減った世界)に乗り換えたという事なんだろうか
大元の世界は東京タワーの代わりにダビデ像が立っている世界だったけれど
その後二度目の乗り換えで置き去りにされた世界が現実のこの世界、という解釈か?
物語が終わる最後の乗り換えで子供ブロイラーなんてない世界になりました=現実という話?
だとすると子供ブロイラーをなくした代わりにペンギンがオウムになって地下鉄サリンが起きたのか?
モモカがテロの被害者を減らしたような描写があったけれどそれをリンゴちゃんが上書きするのだろうか
代わりに地下鉄サリンが起きるのに子供ブロイラーは物理的に無くなっただけでそれを生む社会はそのままで
運命の乗り換えでは何も解決しなかった的な終わり方になってしまうんだろうか

テロ事件のあとでKIGAグループになったというのが先鋭化ならば
社会を救う為の行為をテロと断罪され攻撃的な教団KIGAに変質した?とも考えられるけど物事の順番がおかしくなる
あとペンギンのマークは至る所にあるけれどピングループは社会に溶け込めてるグループなのか?という疑問とか
そもそも3匹ペンギン冷凍で送ってきたのはKIGAグループらしいし
ひまりの夢の中では3匹は透明になるシュレッダーに落ちる前に箱詰めされて送られてたけれど
子供ブロイラーはKIGAでも関われない機関だと言っていた父の言葉と矛盾する気もする

それはそれとして
ひまりがショウマと運命の果実を食べて高倉家の子になった事と
ひまりが熱を出してカンバと父が抱えて病院に行った事
おそろいのリボンを揃えられなかった母が割れた鏡で一生残る傷を顔に負った事
この辺の前後関係が微妙に整合しない気がする
運命の果実が文字通り誰かの運命を食べその人の運命に乗り換える事で
高倉家の子になった事でそれより前に実母との思い出だった顔の傷の思い出が
高倉の母親との思い出に差し替わったりしてるのでは?と思ったりもした
(ラーメン屋の母の顔には傷が見当たらないし、化粧で誤魔化せてるのかもしれないけれど)
あのリンゴが他人の運命なのでは?と思ったきっかけはKIGAアンプル(アップル)の注射で
生きながらえるのも他人の運命を注射する事で死の運命を引き延ばせるのでは?と思った事から
運命の乗り換え=ピングドラムなら高倉家の林檎もピングドラムなのかもしれない
プリンセスクリスタル(というらしいペンギン帽のひまり)がカンバから抜いてた玉は林檎?
あとプリンセスクリスタルってアニメでは名前出てないけど晶(ショウマ)の姫って意味なんだろうか

モモカの日記ってタブキとのラブラブな日常を綴った日記だったけれど
あれがモモカの持っていた運命の乗り換えの呪文の載っている日記とはどうしても繋がらない気がして
それも運命の乗り換えで本来の呪文書がただの日記に書き換わっちゃったのかな?とも思ったりした
ここ2話くらいでカンバがすりつぶさないとの兄だという感じを急に出してきたけれど
その辺も運命の乗り換えで家族構成を書き換えたのだろうか
すりつぶさないとさんの父も心が弱い人のような描かれ方だったから教団に入っていて
逮捕などを切欠に養子縁組が変わったとかそういう現実的な変化なのかもしれないが
モモカの日記をあるべき状態に戻す=乗り換え出来るようになるがオウムが居た現実の世界に引き戻される
モモカの日記を変質したまま焼いてしまう=あの世界を受け入れて生きていくという事かとも思ったけれど
サネトシ先生は焼いて欲しい人らしいのに世界の変革を云々と言っているしそれは間違いか

何か色々考えてしまう部分はあるけれどあと4話?位なのが寂しい
最後は「かえる君東京を救う」という感じで終わるんだろうか