2011年11月29日

いまさらの輪るピングドラムの感想

初めピングドラムを見始めた頃は直前のSTAR DRIVERの印象もあって
幾原監督演出は凄いけどシリーズ構成榎戸に当たる人物が居なくてテンポが悪い感じで
幾原は榎戸が居ないと辛いのに榎戸は幾原が居たらこんな感じだろうという
一人でもやっていけるのではないかな、という印象でした
それ位最初の頃のテンポは悪かった、8話辺りからグッと加速したように思う

最近のお話に限って思ったことを話すと
子供ブロイラーは社会に適応するための通過儀礼なんじゃないかとも思える
作中では親に見限られる事で子供ブロイラーに送られることになって
誰かの特別になることでそこから脱出できるように描かれているけれど
透明になって混ぜられて特に誰でもない代わりのきく社会に溶けた人間になる事を
子供ブロイラーという形で目に見える機関として表現しただけの
実際の現実の世界の暗喩なんだろうな、という感じではある
この解釈ならば父親の演説はオウムというよりは酒鬼薔薇聖斗を思わせる

Penguin forceからKIGA GROUPになっても活動を続ける辺りはオウムとアーレフを思わせるけれど
しかしオウムってそんな社会に対して変革を求めてテロを起こしたような団体だっけ?
オウムはハルマゲドンが来る時に自分たちが超能力者の長として戦うための団体で
社会を敵に回したのは変革を求めるためではなく自分達を理解しないものを排除する為だった筈
明確にオウムとの関係は書かないだろうけれど
運命の乗り換えで世界が変わる前が現実のオウムの世界で
乗り換えた先がオウム>ペンギンに変質したピングループの世界という解釈?
実際には地下鉄サリンが起きるはずだった世界がモモカの運命の乗り換えによって
ピングループの爆弾テロの世界(被害が減った世界)に乗り換えたという事なんだろうか
大元の世界は東京タワーの代わりにダビデ像が立っている世界だったけれど
その後二度目の乗り換えで置き去りにされた世界が現実のこの世界、という解釈か?
物語が終わる最後の乗り換えで子供ブロイラーなんてない世界になりました=現実という話?
だとすると子供ブロイラーをなくした代わりにペンギンがオウムになって地下鉄サリンが起きたのか?
モモカがテロの被害者を減らしたような描写があったけれどそれをリンゴちゃんが上書きするのだろうか
代わりに地下鉄サリンが起きるのに子供ブロイラーは物理的に無くなっただけでそれを生む社会はそのままで
運命の乗り換えでは何も解決しなかった的な終わり方になってしまうんだろうか

テロ事件のあとでKIGAグループになったというのが先鋭化ならば
社会を救う為の行為をテロと断罪され攻撃的な教団KIGAに変質した?とも考えられるけど物事の順番がおかしくなる
あとペンギンのマークは至る所にあるけれどピングループは社会に溶け込めてるグループなのか?という疑問とか
そもそも3匹ペンギン冷凍で送ってきたのはKIGAグループらしいし
ひまりの夢の中では3匹は透明になるシュレッダーに落ちる前に箱詰めされて送られてたけれど
子供ブロイラーはKIGAでも関われない機関だと言っていた父の言葉と矛盾する気もする

それはそれとして
ひまりがショウマと運命の果実を食べて高倉家の子になった事と
ひまりが熱を出してカンバと父が抱えて病院に行った事
おそろいのリボンを揃えられなかった母が割れた鏡で一生残る傷を顔に負った事
この辺の前後関係が微妙に整合しない気がする
運命の果実が文字通り誰かの運命を食べその人の運命に乗り換える事で
高倉家の子になった事でそれより前に実母との思い出だった顔の傷の思い出が
高倉の母親との思い出に差し替わったりしてるのでは?と思ったりもした
(ラーメン屋の母の顔には傷が見当たらないし、化粧で誤魔化せてるのかもしれないけれど)
あのリンゴが他人の運命なのでは?と思ったきっかけはKIGAアンプル(アップル)の注射で
生きながらえるのも他人の運命を注射する事で死の運命を引き延ばせるのでは?と思った事から
運命の乗り換え=ピングドラムなら高倉家の林檎もピングドラムなのかもしれない
プリンセスクリスタル(というらしいペンギン帽のひまり)がカンバから抜いてた玉は林檎?
あとプリンセスクリスタルってアニメでは名前出てないけど晶(ショウマ)の姫って意味なんだろうか

モモカの日記ってタブキとのラブラブな日常を綴った日記だったけれど
あれがモモカの持っていた運命の乗り換えの呪文の載っている日記とはどうしても繋がらない気がして
それも運命の乗り換えで本来の呪文書がただの日記に書き換わっちゃったのかな?とも思ったりした
ここ2話くらいでカンバがすりつぶさないとの兄だという感じを急に出してきたけれど
その辺も運命の乗り換えで家族構成を書き換えたのだろうか
すりつぶさないとさんの父も心が弱い人のような描かれ方だったから教団に入っていて
逮捕などを切欠に養子縁組が変わったとかそういう現実的な変化なのかもしれないが
モモカの日記をあるべき状態に戻す=乗り換え出来るようになるがオウムが居た現実の世界に引き戻される
モモカの日記を変質したまま焼いてしまう=あの世界を受け入れて生きていくという事かとも思ったけれど
サネトシ先生は焼いて欲しい人らしいのに世界の変革を云々と言っているしそれは間違いか

何か色々考えてしまう部分はあるけれどあと4話?位なのが寂しい
最後は「かえる君東京を救う」という感じで終わるんだろうか