非生産的な思考実験

私はソフィストというか、生産的でない思考が好きで
ボンヤリ時間があると色々考えてしまう
そして思考停止型の理想主義で机上の論理なので
バラシにはよく現実が分かってないといわれてしまうのだが

物理の先生があるクラスでドップラー効果について生徒に聞き
「音が伸びる」と答えた生徒に対して「じゃあ音が伸びるってどういう事なの」
といってクラス全体に聞いて誰も答えられなかった、という話を聞いた

その話を聞いた自分は「録音したテープを伸ばすのと一緒」と答えた

で、その話をしてくれた人がその先生にそう言ったらしいのだが
先生は面白いとは言ったものの納得はしなかったらしい
未だにその事についてその物理の先生に弁明したくなる

テープには音素という音の素子が記録されていてテープが伸びると音が伸びる
つまりドップラー効果は音素を撒き散らす物体が移動することで
前方向には音素が密になり、後ろ方向には音素が疎になり
人間の耳は音素密度を音の高低として捉える器官なので
音が移動するとドップラー効果がおきる

無論音素というのは造語というか、適当な説明で
本来なら周波数の話を持ち出さなければならないところを
光の粒子と波の変換をヒントに説明したものだ
この説明だと音速を超えたときの説明や
光のドップラー効果も説明できるので気に入っているのだが
弁明をする機会なく気にしつつも13年ほど経ってしまった

ほかにも小学生の頃の体験と後で聞いた話も
とても何というか、どうにかなってしまうような焦燥に駆られる

算数でつまずく子供の話で、足し算引き算掛け算は良いのに
割り算で駄目な子は駄目になり、次が分数、そして次が分数の割り算
という話を聞いたときに思った事なのだが
(割り算でつまずく子の実情を知らないので机上の論理だが)
小学生当時を思い出してみると

10を2で割る、といってりんごを10個用意し二つに分けて5個という説明
この説明のときはまだ良い
(二つに割る、で6と4に分けてしまわないのかと言う部分もあるが)

じゃあ5を2で割ったら、と言うときにまず学校では「2余り1」と教える
この時点でもう分からない気がするが確か学校では

  2
2)5
  4
  1

という例の計算の仕方を教えるだけだった筈だ
で、分数と言う概念ができた3年生でこれを「2と2分の1」と言う筈だ

そもそも2余り1と言う考え方は何なんだろうか、と考えるに
「10割る2」を10を2で割ると考えているところがおかしい事に気づく
多分この「余り演算」と「例の計算の仕方」を考えた人は
逆に考えだったはずなのだ

10の中に2が幾つ入るか、と考えると
2、2、2、2、2で5つ で5の中に2は 2、2 で2「余り1」なのだ
割り算は何かをいくつかに分ける計算ではなく
幾つ含まれているかを数えるもの、と考えたのではないだろうか

5の中に2、2で余りの1は「1の中に2が幾つ入るか」だから
2を2つに分けて1、これが1個入っているので「2分の1」とした
これなら例えば5割る3でも「5の中に3が幾つ入るか」だから
3が一個で余り2、そして2の中に3が幾つ入るかと考えて
3を3つに分けて1個、これが2個入るので「3分の2」なのだ
分けて元の数につめるのが分数と余り演算なのだ

こう考えると例の計算の仕方も理にかなってくる

  2
2)5
  4
  1

これは5に2が2個入り4、引いた余りが1なのだ
この方法なら分数の割り算も合点がいく

5 割る 3分の1 は  5 の中に 3分の1 が幾つ入るかだから
3分の1が 3個あると 1 になる
5に 1 は 5個入っているので 3個が五回の合計15個入っているのだ

だがこの方法は算数のレベルでの説明の延長であって
困った場合が出てくる、例えば

5 割る 3分の2 は 5 の中に 3分の2 が幾つ入るか
3分の2が 3個あると 2 になる
5に 2 は 2個入って 余り1 3個が2回の合計6+余り1
ここで

余り1 に 3分の2 は 1 の中に 3分の2 が 幾つ入るか

と言って
5 を 4と1 に分けて 4に3分の2が6個 と 1に3分の2が1個 で 余りが3分の1
だから7余り3分の1と言った場合がややこしい

結局「余り演算」は「例の計算」を説明できるが
分数との計算になると突然に合点が行かなくなる
5割る3分の2の答えは7と2分の1じゃなければならないのに

この場合どういう解決方法がいいのだろうか
と、ずっと考えたりしていた

あ、基本に戻って考えたら「幾つ入るか」だから
5の中に 3分の2 が 1,2,3,4,5,6,7個 で
余ってる 3分の1の中に 3分の2 が 幾つ入るか だから
3分の2を 二個に割ると 3分の1 だから 2分の1個
で、7と2分の1じゃないか

書いてるうちに気が付いた、合ってるじゃないか
これで例の計算の仕方その2「分数の割り算は分母と分子をひっくり返す」の真意
(分母分の1が分子個存在し、それが幾つ入るか数えるから)が答えられるじゃない