アニメのうみねこ見た

5話で1エピソードなので凄く駆け足、せめて6話欲しい…
アニメ版五話まで見たところで原作未プレイで
分かりづらいと友人が言っていた部分を自分なりに説明してみた
アニメ版が進んだのでネタばれ解禁

アニメ版で言う5話Bパートのお茶会シーンは原作でのあとがきに当たる部分です
うみねこ第一章はごく普通のホラーサスペンスとして書かれているのですが
結局犯人も事件の全容も分からず数年後に海岸で発見された
六軒島のボトルメールに書かれた話として事件が伝えられて終わります

で、そこで「終」と終わった後、「あとがき」を読み始めると
作中で出てきた人物たちが事件に対しての見解を述べていくというシーンが始まります
「ひぐらし」でも同様に楽屋話っぽくこの手のあとがきが書かれていたのですが
読み進めていくと段々雰囲気がおかしくなり、読み手の違和感の代弁者として
戦人が魔女は居ないと口にし、とたんに魔女が現れてお茶会の人物たちが次々に死んでいきます
魔法で生き返った人たちは魔女を否定すれば死んでしまう
ここでお茶会とは従来と同じ「後書き」ではなく物語の続きでありメタシナリオシーンである事が明かされます

彼らの「身内を疑いたくなかったから魔女を信じた」「戦人には真実を暴いてほしい」との言葉で
読者の代弁者である戦人は今回の事件が魔法などではなく、トリック殺人であった事を暴くと宣言し
そこで「続く!」と次の章に入るという後書きで急展開するという引きシナリオなのです

二章ではこのお茶会の席が物語中の戦人を魔女が召喚したという設定の物語内物語であり
二人が再び最初から事件を眺めながらトリックか魔法かを検証していくという
「物語」「謎解き」の並列の構図である事が明かされます
なのですが、テレビ版だと全然分かりませんでした

好きなジャンルに「メタ物」と書く位メタシナリオ好きなので凄い楽しみにしているのですが
取りあえずアニメ版5話まで見たら無料のうみねこ原作エピソード1をダウンロードして
お茶会の後書きだけでも読んでみてもらえると原作でのあとがきから始まる
嫌な雰囲気と違和感、焦燥感から急展開による引きが分かってもらえるかと

http://07th-expansion.net/umi/soft/umi_taiken_r.htm

アニメ版より冗長的な部分が目立ちますが、後書きについては流石にアニメ版が足りなさすぎるので
アニメ1~5まで見てちょっと興味が沸いたら原作の後書きを見てみる、というのも良いかなと

この「物語」「謎解き」の並列シナリオの構図は一章最後で現れて二章もそう進むのですが
一章では12時を回るまで現れなかった魔法の描写=12時からの黄金郷というあとがき内物語の構図が
二章では並列になることで物語と謎解きの境界を曖昧にし、次第に侵食し始めます
しかも魔法の描写が二章では「戦人が見ていない」場所では行われるようになり
二章の最後にとうとう物語の戦人の前に魔女が出てくる事で
章を進めるごとに魔法が物語を侵食していくという構図にメタ視点シナリオの妙があり
エピ1>2>3と進めていく毎にそれが尖鋭化していくのです

と言う訳で謎解きよりもこの構図が好きだったりします
メタ視点話ではRPGとかではゲームが「プレイヤ」の存在を意識させたりと結構多いのですが
アドベンチャーでは意外に少なく、かなり集めたもので面白かったのは
YU-NO、EVER17、2nd LOVE、書淫、好き好き大好きフロレアール、sense off
辺りでしょうか?EVER17は叙述トリックがなかなか良いのでお勧めです

局所的にはソリッドスネークの「今すぐ電源を切りたまえ!」とかもメタ表現ですよね
まだプレイした事がなく評価の高い「MOTHER」をいずれやってみたいですね