うみねこのなく頃に 戦人犯人説 幾子ヤス説 のアンチミステリー解釈などネタバレ

なぜかいまだにうみねこの真相をググってさまよってここにたどり着く人が多い
うみねこのなく頃に 戦人 犯人、などで探している模様
それだけ何か漫然と納得のいかない人も多いんだろうか…?
コンシューマ版のうみねこが完結したことも影響しているのかもしれない、それにしては長いが

で、あれから今でも時々うみねこの事を考えるのですが(私はうみねこのなく頃にが大好きなのです)
前のレビューでは戦人犯人にしたいがために非論理的に文章書いてたなという気もしたので
落ち着いた今もう一度あの話はどういうことだったのだろうかと思い返してみる

もうかなり経ってるしうみねこのネタバレずらずら書きますが一応注意
(虚無の供物という昔のアンチミステリ小説のネタバレ?も含みます)

まずEP8の現実世界に見える部分は現実じゃなく物語なので
現実世界の平文では嘘がない、が適用できないのではないかという事を考えました
根拠の拠り所は現実世界で赤字(一なる真実の書に真実が書かれていると告げる)がある事
そもそも幾子と縁寿自体現実では会っていないのに会った現実風物語シーンがあるので
現実シーンに見えるシーンでも実際の現実ではないというのはあるのではないか
これで漂流戦人が幾子に拾われた現実シーンがある=これまで嘘としたら何も信じれない、というのは
EP8自体犯人の描いた物語だから都合の悪い部分は嘘、と言えなくもないのかなあとも
(それでは何も信じられない、という事については本当に、どう反論していいかは難しいですが)

各エピソードってどこまでがどういう物なのかという事も改めて考えさせられました
前節で幾子と縁寿が会ったシーンが物語部分だとか言っておきながらそれを根拠にするのが何ですが
幾子の書いた初公開の偽書を読んだ縁寿が「勝手に私を登場させて面白おかしく書きやがって」云々と
言うシーンがあるので、これにより上位シーンに当たる部分(縁寿が飛び入って戦人を助けるシーンなど)が
それまで公開された部分(ボトルメールや世の中に出回っている偽書)には無い事が伺えます
ボトルメールEP2も魔法記述(密室で朱志香と嘉音が殺されて嘉音だけ消えるシーンとか)は書かれていても
上位シーン(戦人がベアトと犯人当てで論戦するシーン)とかは公開されていないのでしょう
つまり赤字などの絡むシーンは全部世の中に出回ってない幾子の偽書なのではないかと、
EP3の中核のベアト戦人がエヴァと戦うシーンなども全く世の中には出てないんじゃないかな?と思うのです
特にEP3から上位シーンを抜いてしまうとかなり印象が変わる気がします(絵羽が銃を撃って戦人を殺して終わる?)
またEP4以降はどう公開されたものなのか、どこまで公開されているのか良くわからないですが
全体を通してベアトと戦人が上位世界で争うシーンは幾子が書いた追加エピソードみたいなもので
縁寿が読むまで全く世の中に出てなかったように見受けられます(シーン自体が創作なので何とも言えませんが)
事件の真実とは直接関係ないまでもこの辺のことはやっぱり物語上理解しておかないといけない気もします

また作中での真実隠しの理由には「陰惨な事件だったものの爆発事故で全滅という結果しか残っていない以上
創作なら幸せな家族だった事にも出来るので死者と遺族の為にもそういう事にして欲しい」という戦人の願い
という理由付けがされているのですが戦人犯人に思えてしまうのはその執拗な真実隠しが胡散臭く見えるせいもあるし
作中で戦人の両親が虐殺の初陣を切ったという描写と生き残った絵羽が縁寿に真実を告げられないという事で
戦人両親の犯行が真実=ベルンの明かした真実が正しそうな上に、何らかの方法で戦人が脱出艇を見つけている
=描写では早々に死んだベアトが魔法EDの脱出シーンと同じく生きていたのではないだろうかという辺りや
(銃で至近距離から撃たれた絵羽が怪我で済んでるので空砲などになるよう銃に細工があったのではないだろうか?)
ベアトが入水自殺し戦人が後を追った=六軒島にベアトとしての自分と戦人としての自分を置いてきた二人の描写で
それが戦人の記憶喪失設定ならヤスがベアトを捨てて幾子になっててもおかしくないのでは?と思える事
唐突に出てきた謎の人物八城幾子よりも脱出艇まで用意していたヤスが脱出後の生活基盤として作っておいた別荘
偽名等が八城幾子になったと思った方が理解できる、10億円の入ったカードや遺族へのプレゼントなどもある
ヤスが生きているなら戦人が生存者として名乗り出れないのも分かりやすい(共犯か支援者だから)事もあって
真実隠し=ヤスが生きていて戦人が共犯か支援者、という構図に見えるのも大きいと思う
時効後に出てきた事もあるし絵羽が生きている時には偽書EP3を八城一八が公開している理由や
絵羽死後に留弗夫夫妻犯人説が巷に上った途端「犯人探しは下衆の行為」と言いだしたり
一なる真実の書公開騒動を起こしたりして火消しを行っているのも怪しく見えてしまう
(騒動は赤字が出るので「現実風物語」という論拠とこの部分では相反してしまうのですが)
また一なる真実の書が絵羽の描いた日記であるとは言っていないが真実が記されているとは赤字で言っている
=真実を描いた幾子(一八)の偽書でも可能、という点も何か含みがあるような気がしてしまう

幾子がヤス説については作者は一応否定はしていない
対談謎本の著者が作者と対談の中で幾子はヤスとは思えないという旨の趣旨の内容を書いているけれど
ほぼ明確に否定しているのは手品エンドの縁寿が戦人犯人かもしくは家族が犯人にまでたどり着いている事だけ
作者は手品エンドの縁寿は相変わらず絵羽を犯人だと思っているのでBADENDだろうと書いている
そういう意味では幾子ヤス説にはまだ生存の余地があるように思える
そんな説もあるよね的に作者の歯切れが悪い理由がわからないのがちょっと難しいが
虚無への供物と同じく「物語中で解ける犯行を解決せず事故だったとして完全犯罪で終わってしまう」ネタとみれば
話の根幹にかかわる最後のネタバレになるので明かせず歯切れが悪い、とも言えなくもない…のか?
虚無への供物も「アンチミステリ」と呼ばれているしそういう解釈ならば正しく「アンチミステリー」なのではないか?とも
(私はアンチミステリーとは解ける犯人を上げず物語もミステリーではなかった風に完結する事だと解釈しているので)

ここで度々書く余談でEVE burst errorという剣乃ゆきひろの作品もアンチミステリーなんじゃないかと思っていて
この手のアンチミステリ(候補)は「そう読むと犯人が別に居るように見える」という謎本的解釈論になってしまい
作者が正解を公言しない限り「それは考えすぎで物語の結末が真実である」という声の方が一般的になって
普通の読み方が正しいのか穿った読み方が正しいのか、分からなくなってしまう
そして普通の読み方の物語を覆そうとしても作者の正解という錦の旗がない以上証明ができないのでとても難しい
剣野ゆきひろさんもEVEの犯人について、あれが間違いの犯人を上げる物語で真犯人が別に居るかどうかは
恐らくどこでもコメントしてないまま亡くなられたので真相は闇の中になってしまった気がしますし
(そもそも前述のようにそんな読み方自体が穿ちすぎの考えすぎ、という懸念も捨てられない)
うみねこについても結構な人数の人が「もやもやした何か」を抱えていてもそれが作者の意図した物なのか
一般的に言われているような作者の物語の不出来によるものなのかがどうにも証明できない
そういう意味ではやはり作者にアンチミステリか否かをどうしても公開してもらいたくなってしまうのです

幾子ヤス説は恣意的な論拠の考えすぎな話なのでしょうか…どう思うでしょうか?

うみねこ読み終えて思った事とか追加

八城幾子がベアトリーチェではないか?

八城十八が何故偽書を発表したのかについて考えると
一番ありえそうなのは真書を偽書で紛らせて隠すためかと考えられる
作品中ボトルメールは2本、エピ1エピ2が見つかっていて
ベアトリーチェは戦人が6年ぶりに帰ってくると分かってから
起こりえる事件の可能性をボトルメールにして予め流したように見受けられる
その中にそのものズバリ真実と同じ内容のものが混じっていたのではないだろうか
流れ着いていないボトルメールの内容を知っているという事が
八城幾子=ベアト説の傍証になる気もするがそもそも八城十八が戦人なので
彼が流れ着いたエピ1エピ2を知った際に
真実と同じ内容が存在する可能性を恐れて書いただけ、とも考えられる
可能性を恐れて偽書を作るよりは黙ってた方が安全な気もしないでもない

どちらにせよ戦人が6年前の約束を覚えていて紗音を迎えに来た
そして2人で事件を起こしたというボトルメールがあったんじゃないかという気はする
気になるのは直前で来れなくなった筈の縁寿が来れない事が織り込み済みだった事か
エピ1エピ2までは全く縁寿の影もないのがまた気になる所だ

エピ1上位世界、エピ2上位世界などの上位世界はどういう位置づけになるんだろうか
八城幾子と十八の会話で作られた世界なのだろうか、それとも真書ボトルメールから上位世界はすでにあった?
その場合1>2の順に発見されるとは限らないのに繋がってるのがおかしいのでやはり幾子と十八の作なのだろうか
十八記憶喪失は事実で記憶を取り戻す過程で幾子と語り合った内容が1と2の上位世界なのかもしれない
そもそも3以降も上位世界は偽書に含まれているのか?エピ3縁寿登場は書かれていて縁寿は読んだらしいが
読んだと宣言した縁寿自体もフェザリーヌとの会話でだったので上位世界同士の戯言という可能性もある

またエピ8の戦人と幾子の出会いのシーンは縁寿への説明のシーンだとしたら嘘もありえるが
まったく独立して語られているのでこれを嘘と言い張ると何でも嘘と言えてしまいそうで悩ましい

うみねこ六連密室

自分が解いたわけじゃないですが
終わりと始まりが重なる、の説明があんまり外で見かけなかったので

6つ密室があることで発生する心理的死角がこのトリックではないかと、
で、単純化して3つの密室A,B,Cとした場合に

Aで人物Aを殺し、部屋Cの偽の鍵C’を置いて鍵Aをかける
Bで人物Bを殺し、部屋Aの鍵を置いて鍵Bをかける
Cで人物Cを殺し、部屋Bの鍵を置いて鍵Cをかけ、鍵Cを隠し持つ

これで状況は完了、犯人は部屋C以外を入り辛い場所にしておく
(Cを1階窓あり客間、Bを2階部屋、Aを離れの礼拝堂)

で、館を捜索し始めて最初に部屋Cの窓を割って入り、鍵Bを拾う
鍵Bを用いて部屋Bを開け、鍵Aを拾う、最後に鍵Aを用いて部屋Aを開け、偽の鍵C’を拾う
そしてCの部屋に戻るが最初に窓割って入ってドアから出ている為、鍵C’を使わずに入れる
つまり使わないので偽物の鍵でも気づかない
あとは折を見て鍵Cと偽鍵C’をすり替えれば証拠が消える

と言うトリックかと、3つだと最後の鍵使ってなくね?と気づくかもしれないが
6つもあるとまたか、またか、となって最後まで同じだと思い込む可能性が高い
また、合鍵はない、との赤字も偽の鍵までは禁じてないのでセーフかと
この場合部屋Cに窓割って入ろうと言い出した留弗夫が怪しくて
アニメでは窓の外から客間Cの死体紗音が見えていて、秀吉が不審に思って割って入っている

最後の密室と最初の密室が重なっていて最初の密室チェックを忘れる、というのが
終わりと始まりが重なる、の説明かな?とか

うみねこ8章を読み終えて

コミケ終えてまた風邪ひいた、毎年冬コミケで風邪を引く…

寝ながらEp8を読み終えたのですが
うみねこはメタフィクションとして読むことが正しくて物語上の結末は嘘であり
メタフィクションとして読んだ場合別の真相が出てくるように思えました

追記で今回思った事ネタバレ

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うみねこ最終章を前に過去の考察文章とか答え合わせとか

うみねこ7終えてずいぶん経つのですが
お話としての謎はだんだん明かされていっていて
こう、新たな謎!という話題はない感じなので話題にしづらく
ここまで引っ張っちゃいましたがいくつか答え合わせもかねて
7を読み終えての部分を文章にしておこうかと

追記でネタバレ

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うみねこ見直し

この間ちょっとうみねこのEp6を読み返してたら
記憶と全然違う部分があってあー誤読してたなーと思った
ヱリカは嘉音になれない、というかヱリカ執拗に人体としての数について問うてるね
それは即ち、3人、体の数が3つだと 嘉音が意図しないヱリカ説は潰れてたのね

客室に入ったのは嘉音のみ、ヱリカと戦人と嘉音の3人、体も3体
じゃあ結局本編で誘導されてる解釈が正しいんだろうか…

本編で明かされてるけど一応追記にて

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