カオスラウンジの戦略的問題の内包について

現代アートも取りあえず日常化して落ち着いてきたので
自分の考えた事を纏めておこうと思います

カオスラウンジの作風、コラージュや水ぶっかけアートの手法が問題だった
同人は自浄作用があるからセーフと書かれているのを良く見かけます
しかし個人的には今回の問題の本質とは違うのではないかと思っています

カオスラウンジの一番の問題は戦略的問題の内包、
執拗に萌絵の顔を塗りつぶしたり踏みつけたりなどオタク文化へのヘイト、恨みを込めた作風なのに
オタク文化側の権利者に自制を求める展開である事が最も大きいのではないかと考えています

カオスラウンジは何度も、これが認められないなら同人も同じだと言っていましたが
ある意味同じであるがゆえに戦略的欠陥で問題が表面化したと思っています
コンテンツ権利者が訴えないのはいくつもの理由があって

ファン層があり、ファンのコンテンツ権利者への影響が大きい

昔手塚治虫がコミケの取材を受けた時に
「漫画を描きたいと思って描いてしまう層がこれだけ居る、これが漫画業界を支えている」
と言っていました、そういう二次的な業界への影響力もさることながら
直接的にファンが購買層と被っていてファン活動を規制することがダイレクトに返ってくる事

カオスラウンジにファンがいないとは言いませんが
このファン層はコンテンツ購買層と被らず、コンテンツ権利者への影響力が小さい
「畑違い」である事、今回の問題はこの事が何より大きいのではないかと思います
これを覆すには出版業界、アニメ業界を超えて影響が出るから訴えるのは自制してくれ
と言えるくらい規模が大きくなければ無理かと思われます
しかしカオスラウンジのマーケティング元と目されているチームラボには現代アート業界との強いパイプがあり
将来的に規模が大きくなれば業界を跨いで広告することも不可能ではなかったかもしれないとも思えます

権利者から悪質さが小さく手間が掛かっているなど温情に訴える

規模が小さく無視できる範囲だったり
作り手同士の「情」に訴える面があれば訴えることまではしない、という憐憫に訴える
同人業界そのものは大きいものの作り手はほぼ個人レベルであり、個々に訴えるには相手が小さい事
またコラージュよりはトレス、トレスよりは模写、模写よりはパロディとオリジナルの手間部分が増えていけば
二次著作権の発生で争われる度合いが増えて訴え勝つことがより難しくなり
作り手同士の手間に対する温情も出てくる
権利者からみて訴訟へのリスクが大きくなって訴えづらくなるという点があるように思えます

この点カオスラウンジは商業規模が大きく不利だとも思いますが
もっと手間が掛かる方法で置き換えていれば不可能ではなかったと思います
threeというフィギュアを溶かして巨大な人物像などを作ったアーティストの方がいますが
引用元に当たる使用フィギュアの表記羅列、作成にかかった手間
それに絵をコラージュするのと違って工業製品化されたフィギュアであり
権利者から見て製作者への影響力が小さい事などから問題視されづらいのではないかと思いました
(私はthreeが個別に権利者に了解を取ってるかを知りません、取っていたら申し訳ない)
絵をただ並べて踏みつける事やプリントアウトして水をかける事等は手間が少なく
権利者に直接的嫌悪感を与えてしまう点も大きかったのではないかと思います
篠房六郎も言っていましたが数十メートル四方の砂絵などでトレスして水をぶっかけたなら
問題化されづらかったんじゃないかとも思います

直接的に権利者とのパイプがある

これは同人業界がダイレクトに出版業界、アニメ業界人も参加している事が大きく
コンテンツ作者でありながら同人も出していたり、ひいては直接的に権利者同士仲間内だったりする
非公認なだけでスタッフは公式と同じだったりする場合もある
また、同人誌を描く作者が出版業界へ入って次の世代のコンテンツ製作者になっていく
そういうコンテンツ業界人が同列に並んでいる同人業界を邪険に扱いづらい面も大きいと思われます

これもカオスラウンジは東浩紀などから角川グループとのパイプがあり
直接「角川作品だけのキメこなのようなコラージュアートを作るから許可を出してほしい」
と請け負ったりすることも(技術力があれば)可能だった筈です
実際村上隆などはアニメ業界から人材を引き入れて自作のプリキュアそっくりアニメを作ったり
イラストレータとコラボレーションしてフィギュアを作ったりもしています
(村上作品はパロディではあっても自作であり、直接コンテンツを借用はしていませんが)

損得勘定に訴える

訴えて得られるものに比べて失うものが極端に大きい場合、訴えることに躊躇する
同人は訴えるのにかかる費用を鑑みて得られる利点が少ないという事

逆に失うものより得られる利点が大きいと踏めば同人業界でも訴えられることがあります
例えばコンテンツ権利者がファン活動のコントロールを行いたいという場合
失うファン層と比較して得られるものが大きいと踏めば訴訟に踏み切ります
カオスラウンジの問題比較の際によく言われた同人業界内での自浄作用というのはこの点で
このラインを踏み越えたら失うものより得るものが大きいと権利者が判断してくる、というラインがあり
同人業界自体がたびたび訴えられたりする事でラインを見極めてきたという事があります

コミックマーケット準備会も商標については厳しく制限していますし
ピンクハウス商標問題を例としてサークル申込み冊子にも書かれています)
BL同人もJ禁等というサークル運営者内部ルールで一応の自浄を促していたりもします
昔のコナミはファン活動への制限が大きく、幾つかの訴訟などサンプルを経て
コナミ側もファン活動へのコントロールを強くした場合の購買層の醒め具合を見極めたり
同人側も作品ごとに度合いを変えたりと互いに歩み寄りを(無意識のうちに?)しています
カオスラウンジも同人業界への毟り具合のコントロールでどれだけ危険度があるかなどを
今後サンプリングしていくことで歩み寄りが出来るのではないかと思います

また、損得勘定であれば直接金銭的解決を行うことも可能です
簡単に言えばカオスラウンジの作品を納めて多大に評価されており影響力も大きいので
訴えるよりコラボレーションしませんか?という方法もあったでしょうし
訴えられてしまっても今後も別活動を続けられる形で和解金を払い後から回収する手法もあるでしょう

実際にチームラボのマーケティング戦略はこういう手法を取っていたのではないかとも言われています
チームラボの取締役が兼任するpixivで素材を回収し、チームラボが広告戦略するカオスラウンジがコラージュし
それらをチームラボとパイプがある村上隆や東浩紀が購入、パトロンとして商業価値を保証し
現代アート新規層にカオスラウンジを反村上隆の新興勢力として売り出して美術手帳などで公開
色々なメディアに宣伝し露出していくことで価値を上げて影響力を高める
そして訴訟に対しては影響力を使ったコラボレーションによる取り込みや直接的な和解金などで対応する
そういう手法を目指していたのではないか、とも言われています

権利者への訴訟自制の訴えかけとして同人業界が成功している点は
これらの点ではないかと自分は考えています
同時にカオスラウンジの問題ではこの点が何とかする事が出来た部分であり
それらをクリアすれば通ってしまったのではないかとも思えます
しかしその為には兎に角カオスラウンジの規模を大きくして影響力を高める必要があり
訴訟リスクを回避するために影響力を高める事で露出して訴訟の可能性を増やすという
自転車操業的な危険を内包していて
今回の問題はそれがうまく回らなかった事で問題化したのではないか、と感じました

自分はコラージュも水ぶっかけもアート手法としては問題はないと思っています
(された側がそれを良しとしないならバランスを持って自制を促せる状態ではあって欲しいですが)
そういう表現方法は出来る限り守られるべきだとも思っています
そしてこういう手法がまかり通った際に良しとしない層が出来ることは単純に
許可を出さないように権利者に働きかける、コラボレーションするなら不買運動するなどで
権利者にどっちの購買層を選ぶか天秤にかけてもらう事だと思います

ただこれらは民事訴訟の指針であって刑事訴訟では変わってきます
天水などの漫画で知られる花輪和一が銃刀法違反で訴えられた際
裁判において彼を収監することで漫画業界が失う影響の大きさを説いた所
それだけ影響力が大きいなら重罪にすべきだと判決が重くなったという事があったそうです
今回の問題の中でも偽札アートについては
カオスラウンジが世の中に与える影響度が大きいと判断されれば
場合によっては刑事事件として告訴される可能性もあるのではないでしょうか?
(赤瀬川事件などは社会的影響が大きいと判断された事が訴訟に影響した面があるようですし)
逆説的にカオスラウンジが世の中に与える影響度が小さいと判断されたならば
このまま書類送検などされずに放置されてしまうかもしれません

カオスラウンジは世の中にどれ位影響力があるんでしょうか?
今回の事でカオスラウンジは影響力が小さければマーケティングで失敗し
大きければ刑事訴訟の可能性が増えるという問題を抱えたように思います

興味ない人には厳しそうな長文申し訳ない
新しく問題が出てこない限り取りあえずこれで言い尽くした気はしますので…

C80コミケ購入本一覧写真

c80photo_l.jpg

今回も3日目のみの参加
ここ最近は10時半前に東駐車場待機行列側へ並んでそのまま東へ入る感じ
しかし暑さから入場してすぐそのまま水買って休憩していた
スポーツドリンクより水が飲みたくなる、相当薄いスポーツドリンクが欲しい感じ

結局東ぐるっと一周回った後休憩をはさんで西館にはご挨拶に伺ったのみで終わった
今回かりゃさんとご飯食べて帰ろうって話をしていたので
4時まで回らずに3時で帰った関係で回った量は相当少なかったものの
帰ってきて広げたら本自体は意外に買っていた
ただ目的のサークル以外で拾い物を買うというのが今回1冊しかなくて残念な感じではあった
年々拾い物の本というのが減っているのはコミケの人出が増えすぎて厳しくなってるのか
それとも体力的に難しくなってるのか今一判断が付かない感じ
気温は去年だか一昨年の夏の東方の日が酷かった時より低かった感じだけれど
汗が出てそれだけで相当疲れた
帰りに京王新宿駅デパート街のバーガーキング向かいにあるお粥専門店で
芋粥をかりゃさんと一緒に食べたが食欲がきついところに入りやすい感じでとても良かった
またあの店に行っても良いなと思った

そんな感じのC80でした

東浩紀のスーパーフラット発言を読み解く

東浩紀発言引用

梅ラボ @umelabo の新作はまじでいい。震災後の救済、女神と天罰といった普遍的主題に加え、らき☆すた、というかキメラこなた。あれは彼のマスターピースになると思う。いままでのデータベース・スーパーフラットと違い、空間もある。コンテクチュアズにあの作品が飾れるのを誇りに思う。

東浩紀のこの発言を見るに彼自身今までの梅ラボ作品について
データーベース・スーパーフラット(気に入った物を色々貼っただけで何の起伏も無いもの)
であると指摘していて、さらにそこに双葉のキメこなが配置される事で
(今までと異なりキメこなが)マスターピースになり、空間が出来た、と言っています
これは梅ラボ作品特有であるアナログテレビの無チャンネル状態のようなノイジーで起伏のない自作部分が
双葉から借用した「キメこな」の添え物になっている、と評論家が言い切った形になってしまっているように思えます

梅ラボ自身がキメこなを作り出したならばこの東浩紀の発言も
データーベース・スーパーフラットを抜け出し一皮剥けた梅ラボ、という激励として読めるのですが
実際には彼の作風はデーターベース・スーパーフラットのままの状態であり
借りてきたキメこなの完成度が現代アートを権威付けする立場の評論家から見ても高かったという
アートとしてのキメこなの完成度と梅ラボの現状を浮き彫りにした評論家の発言として読み解けるのです

これは今回の問題について多々ある発言の中でもちょっとした笑い話として読めるのではないかと思い
追加補足的に書かせて頂きました

興味ない方には面白味のない連続テキスト更新申し訳ない…

ちょっと言い訳っぽい拍手お返事

2011/08/12 拍手
 15時 https://yu-hi.sakura.ne.jp/hinabita/archives/2011/08/07230114.html
 nov君とマジスタンスは分けたほうがよろしいかと…元nov住人が嘆いておりました

拍手ありがとうございます
これについてちょっと言い訳をさせて頂くと
imgには神奈川ocnという荒らしが居て、彼が過去頻繁にマジスタンスという単語を使って居た為
出来ればマジスタンスという言葉を使うことを避けたいというimgの自分としての思惑があって
そこでユルシタンというもう一つの呼び名を使おうかとも思ったものの
あまりに見かけない単語過ぎてここで使っても伝わらないのではないかという不安があり
両者をひっくるめた上位であるnov君、という呼び名を使った経緯がありました
現状これだけマジスタンスという呼び名が浸透しているのであれば使うべきだったかな、とも思いましたが
あえて今後ユルシタンを使ってみるのも良いかとも…どれ位認知されてるのでしょうか…

という訳で現代アート関係な拍手お返事でした!

拍手お返事とか一杯!

設置以来これだけ拍手が来たのは初めてでした

2011/07/24 拍手
23時 大変分かり易く、参考になりました
23時 ナイスまとめ!

拍手ありがとうございます!
何だか角川春樹事務所の方がツイッターでさらさらしたらしく
一気に拍手が来て戸惑っています
設置以来今までの分より多い拍手がこの数時間で貰えたようです
このページ、拍手を押されることが今まで殆どなかったので
押されると携帯にメールが届くようにしていたのですが
いきなり99件のメール着信上限を超えて拍手が届いて驚きまして
あわてて検索して春樹事務所のリンクに気づいた次第です
ハルキ文庫と言えば田中比呂人さんが挿絵のどう見てもランガな本で有名な
星の、バベルです!上下巻ともに持ってたりします…それ位しか知らないですみません…

2011/07/25 拍手
00時 とても解り易くとても丁寧な説明でした

ありがとうございます
nov君のイラストコミュニケーションについては前から思う所があったので
これを機にnov君について纏めてみたりしました
画像掲示板を知っていれば伝わる程度には書けたかな、と思いつつも
実際に解り易いとコメント頂けるのが非常にありがたいです

2011/07/25 拍手
00時
ヽ|・∀・|ノ マタイ!
ぼす記事よんだよー
10点!
ボス人気者だねボス -帆船
ネオランガ!
ネオランガ3期来たな…
ネオランガは最高です
ネオランガ三期やるといいですね!
ネオランガ3期決定!
ネオランガの時代来てるね

メールとどくらしいんで拍手しといた!
連続拍手なんてのも可能なのかい!?
っていうか絵も描けたんだなネオランガ「」
あとネオラン3Dはもうちょっと柔らかそうなのが好みです

神様ドォルズがネオランガ三期らしいよ!
ラストに裏切るゆうぴーは最高だよ!
ネオランガ「」ったら…
ランガ好きはここにもいるぜ!

マタイ図に乗るな!10点!
なんか携帯鳴りまくってる!!と二次裏でスレを立てたら
追加で押してくれた「」の方々です、ありがとうございます
こんなにネオランガという文字が送られてきたのも有史始まって以来です
ネオランガ…キテルネ…
神様ドォルズは次回予告のねおらー30っぽさがひどいね!夕姫はいつだって最高だよ?
過去には3D評判良かったんですが最近不評なのでもうちょっと何とかしたいです
後述のレントンスレでも2D絵の方が見たいという書き込みがありましたし
その辺も頑張らねば…3DカスタムMODも2年ほど掛かったけれど実現はさせたので
歩みが遅くとも着実に進めるよう長い目で見ていただけると嬉しいです…

2011/07/25 拍手
00時 このまとめ、絶対に部外者ではないんやなw  一部見落としていたネタまでカバーして下さり、これは…ありがたい……

gff prskn!
そんな拍手が肩こりに効いて…これは…押されすぎ…
ネットで話題になってる割にnov君について書かれているページが見当たらなかったので
二次裏という自分には身近なネタだったので面白おかしく書いてみました
でもimgっしーなので隣人だけど部外者だよ!ほんとだよ!

2011/07/26 拍手
21時 楽しませていただいています。ありがとうございます。

こちらこそ、楽しんでいただけたなら嬉しいです
読む人に面白いと思っていただけるように
出来るだけ恨みがこもらないように心がけました

2011/07/30 拍手
16時 大
16時 空
16時 寺



(・▽・)



2011/08/03 拍手
01時 とても分かりやすかったです

ありがとうございます
レスの応酬によるムーブメントみたいなのは2chなどでも源流はあると思うので
画像掲示板を知らない人にもうまく伝わっていたら良いのですけれど
その辺伝わっているのか少し不安ではあります

2011/08/05 拍手
20時 がんばれ!がんばれ!!応援してます!!!
21時 コミケはきっといい刺激になると思うんだど!でも無理は良くないから計画だけ立てておいて当日行くか行かないか判断する感じでいいと思うんだど!元気を出して節でも聞いて元気を出すんだど!

レントンスレッドで愚痴ってしまったら励ましてくれたんだど!
ありがとうだど…おかげで少し元気出てきたど

コミケは体調気を付けつつ最終日だけ参加しようかと考えています
しかしカタログチェックが全く…ぐぬぬ…
だるさで寝込んでてコミケ作業が進んでない(次回以降のですが)ので
コミケ明けにはその辺も進めたいと思います
2D絵の方が評判が良くなってきたというか最近は3Dの評判が今一なので
その辺も何とかしたいですね…
目下考えているのはちなみちゃん向けのR15エロ3D残暑見舞いなんですけれどね…


という訳で設置以来初めての規模の拍手乱射に驚きましたが
これからもこのページに来ていただければ嬉しいなと思いつつ
ありがとうございました

リハビリ微調整

navy006588.png

blender 手と股間の調整をみた「」さんから
土手が低いよ、とのアドバイスと資料を頂いていたので
リハビリも兼ねて微調整してみました
ほんとにそこだけの微調整

色々な騒動の中ひっそりと「CG定点観測」さんが更新を停止されていました
pixivのような投稿SNSが瓦解する可能性がでてきた所だったので
残念に思いつつも、今までお疲れ様でした、と言わせて頂きたいです
このページを見に来てくれる新規の人のトラフィックの多くは
実は定点観測さんからのものでした
思えばネオランガで良く検索しては新作がないなぁを繰り返したり
思い切って「ネオランガで更新してます、補足して!」とメッセージを送ったり
それ以来ネオランガでちゃんとした?絵を上げると補足してくれるようになったり
感謝感謝でした、今まで本当にありがとうございました

あまり他で書かれない現代アート騒動とキメこな問題の解説

ハイコンテクストな素材のあらまし
色々やらなくちゃと思ってることが有るのに文章書いてるのはどうかと思うけれど


どういう経緯で荒れているのかをまとめているblogとかが一杯出てきて
もう経緯は調べれば十分分かるようになったと個人的には思ったので
他ではあまり書かれていないnov君と今回の騒動の関係について、
ギャグがどう面白いかを説明するような野暮な部分ではあるのだけれど
そこで使われている素材がどういう経緯で使われるようになったのかを紐解くことで
nov君がどういう集団なのかを理解する手助けになればと思って筆を取ってみる

まず最初に前エントリーにあるように画像掲示板の人物集団は
作品を介して会話する集団だという事を心にとめておいて下さい


素材:キメこなとは

画像掲示板img鯖では一時期泉こなたが貼られると掲示板を荒らす嵐が居ました
彼はこなちゃんの画像に対して「死ね死ね死ね死ね・・・・・々々」と
ずっとポストし続けるので「こな死ねさん」と呼ばれていました
ある時こな死ねさんをからかう意図で彼が「死ね死ね」とポストしている時に
あえて「一見こなたに見えるけれど別のキャラの絵」というものを描いてアップして
そこにこな死ねさんが書き込みに来るか見極めるという遊びが流行りました
それが一連の「こなコラ」というこなちゃんと同じ右手を挙げたキャラの成り立ちです
そして当時は名前がまだありませんでしたが複数種類のこなた風の絵同士を
さらにコラージュでくっつけてキメラの状態にしたこなた「キメこな」ができました
(これも前述の画像コミュニケーションだと思います、鯖は違えど源流は同じなのです)

(補足追記:imgにはスレ内画像レスが無いのでこな死ねさんがいる時にカタログをこなたっぽい物で埋めていく事になり
カタログが同系統の絵で埋まる事が祭りの合図になったりします、某所のアンドリューWKやいたるスライムなどもこの類です)

結局こな死ねさんは管理人にメッセージを送る準備板まで荒らしたためアク禁になり
imgが荒れることもなくなったので住人はこなコラ、キメこなを忘れていきましたが
mayや4chanに転載され、特に4chanで外人に人気が出てmoetronと呼ばれ
新作を作られたりしながらひっそりと生き続けていました

そして海外や複数の画像掲示板で知る人ぞ知るキャラになっていたキメこなを
カオスラウンジという団体の梅ラボという人が目を付けました
梅ラボは自作品に複数のアニメキャラクターをバラバラにコラージュするという手法を使っていて
キメこなのようなアニメキャラの複合体が整合性を持って成り立っている状態を目指してたので
自分の作品としてキメこなを勝手に売り出してしまう事件が起きました
それが今回の騒動の最初に当たる「キメこな騒動」なのです

その後どうなったかについてはまあ、纏めblogなどを読めばわかると思うので
私が書く必要もなさそうですが、騒動の背景はこんな形で生まれました


素材:味の素、味塩、白面の烏帽子の男、開き

上の騒動が起きた際にカオスラウンジは「ネットの作品はすべて素材である」とし
自作品に勝手に利用すると宣言しました

画像掲示板novは複数ある二次裏と言われる画像掲示板の中でも突出して
前エントリーにある「画像コミュニケーション」に特化した掲示板でした
6年ほど前にアップされた1枚の「嵐集団のオフ会の様子」と呼ばれた写真を弄り続けて
(実際には掲示板嵐達とは関係なく謎のおじさんでしかなかったのですが)
コラージュを使った会話をし続けたために管理人に画像掲示板ごと消されたような背景がありました

そしてその「素材宣言」によりカオスラウンジの写真を自由にコラージュしても誰にも咎められないと解釈し
別の鯖である画像掲示板mayという場所で再びコラージュによる会話を始めました
それを過去にnovを掲示板ごと消した管理者が「黙認」した為にmayに旧novの出張所が出来ました

しかしカオスラウンジのネットにある写真類をコラージュしてみても
どうも最初の「謎のおじさん」ほど「うま味」がないと言われだしました
(彼らは元々謎のおじさんを「うま味紳士」と呼んでいました)

そこで味が薄い>コラ素材に味塩を使ってみる、という遊びの流れで味塩が使われました
面白味がない>白味がないなら白面にしてみる>平安風なので烏帽子を被せてみるという遊びで素材も生まれました
また、元々1枚しかない謎のおじさんの斜め向きの写真から正面の顔を作る過程で
顔の中央から「開いて」正面顔のように見せるコラージュ手法が根付いており
うま味のないカオスラウンジの面々を面白くできないかと色々な素材を開いてみる遊びも生まれました
プハプハ鳥などもこの流れから生まれました)
1枚しかない写真から怒っている顔を表現するために顔を赤く染めるコラージュ手法が元々ありましたが
白面烏帽子の男(黒瀬に対して白瀬と呼ばれる)を赤く染める際に顔は既に白くて染めれないので
烏帽子を赤くしてみる>味の素の瓶に似ている、という流れで味の素の瓶が素材化されたりもしました
また、「mayは独立した別掲示板なのでnovのノリは違う」と反発する住民(?)の発言を受けて
ノリが違う>アラビックヤマト糊>セメダイン、などという画像を次々に貼られて素材になる流れも生まれました

nov君は常々「テキストを書き込む暇があったら1枚の画像をアップしろ」と言っており
基本的に誰かが何かを書き込んでも返事は画像アップでしか行いません
当時ウォッチされていたカオスラウンジの一員がtwitterに「すしなう」と書き込んでいたのを見たmay住人が
こちらにケンカを売ったラウンジの当事者がのんきにすしなうなんて書き込んでると炎上しそうになるのを余所に
nov君はただカオスラウンジのアップした食事中の寿司写真を素材にロケットに乗せて飛ばしたりしていました

すしなう晒される>今だ寿司だ!とビビビッとくる>多数のnov君が同時多発的に寿司ロケットを撃ちあげる
(もともとバカな書き込みがあると取りあえず花火代わりに打ち上げるという遊びが流行っていました)
という天丼的な面白さが、最新の流れを追って見ている野次馬の間に生まれてしまうのです


それを踏まえて今回の騒動

今回のpixivの騒動()も荒れた原因はpixivが梅ラボ擁するカオスラウンジに
pixiv上にアップされていたユーザーの画像を素材化して使うことを黙認しただけでなく
カオスラウンジとコラボ企画までやり、社長がパトロンになったりした事が背景なのですが
現在「現代アート」タグで起きている事は上にあるようにネタを弄って作品で会話する事を許されたnov君が
その時々のネタへの「レスポンス」として文章の代わりに「作品」をアップしているだけなのです

絵をアップするような人は反応を見て反応が返ってくるのが楽しい、という面が多くあり
絵に即座に絵が返ってくる、誰かの絵に即座に絵を返すと流れが生まれる、を繰り返していくうちに
次第にスタンドアローンなのに同じような流れを生むブレインのない集団になってしまうのです

pixivの現代アートのネタが大量に被るのも大勢が直前のネタに対して
即座にレスポンスとしてネタにしてアップするからで、それを見ることで野次馬は天丼的な面白さを感じるし
同時に自分がアップしたネタが即座に別人に弄られて天丼化することでアップした人も反応に感化される
という流れに巻き込まれてネタアップした人が感染して自分も他人のネタに即座にネタを返すようになり
次第に画像コミュニケーションを会得したnov君化していくのです

これを理解できない外部の人、なんとネットの寵児と自称するカオスラウンジさえもが
「話し合いたいから代表者を出せ」とか「騒動を統率する人物がいる」とか言い出したりするのですが
上にあるように感染した個々人による潮流でしかないのでそれは無理なのです
カオスラウンジはカオスラウンジ宣言でこの現象がネットのムーブメントだと自分で書いており
顔のない有象無象が作品を生み出す流れがアートで、それを自分達が売り出していくと言っていましたが
実際にはカオスラウンジ宣言のその部分はただの攻殻機動隊の受け売りで
本質を全く理解していなかったのではないかと今回の騒動から見えてきたように思えます


また長文ごめん!

追記、twitterでKyogoさんとお話しした際に現代アートとキメこなちゃんの話題になって
現代アートとは人の普遍的なテーマを扱ったコンセプトがあって
それについての思索を呼び起こすものである、という話を頂いた際に
ではnov君は文字から解放されたコミュニケーション、人と人との対話という普遍的なテーマを偶然扱った
ノンコンセプチュアルな現代アートと言えないだろうか、という提案をしてみた

その教唆としてキメこなちゃんは「こなたと認識できるか?」という
キャラクター性のボーダーを探るコンセプト対話のなかで出力された物で
それらを複合して作られた誰でもないアニメキャラ「キメこな」が偶然4chanに転載され
anonymous達にMoe+Metatron(萌複合体)として誰でもないアニメキャラ「moetron」と名付けられた事は
言葉の通じないanonymousへ作者の説明しなかったコンセプトが伝わり偶然同じ名前を付けるという
共時性、シンクロニシティーが起きており、これを現代アートと言えるのではないか、とお話ししてみました

キメこなちゃんの背景を知らなければわからないというのは受け手の思索を拒絶する側面のある
ハイコンテクストな部分なのでアートであるとは気づき辛いのですが、知ってさえいれば
この二次裏で生まれたキャラが海外にわたって同じコンセプトの名前が付くという共時性を
アートと捉えられる=キメこなは現代アート と言えるのではないでしょうか?
つまりその手法の元になった「画像による対話」が行われているpixivの現代アートタグの現象も
個人的には現代アートと読み解けるのではないかと思います

今回の騒動の表と裏

なんでpixivでやるのか分からないという人もいるみたいだけれど
色々な人がpixivに投稿していた絵を素材に梅ラボがコラージュを作っていて
運営がその梅ラボがいるカオスラウンジとコラボレーションしていた問題が基にある
pixivの投稿を使われた被害者が運営に訴えても梅ラボ作品が掲載され続けた事が発端

そんな運営に対してこれを切欠にアカウント剥奪されたなら退会してもいいやと思った絵描きさんが
今回のコラージュ問題を茶化して絵を描き始めて
絵描きさんが描いたキャラが可愛いから描いてみようと他のユーザーにも広がり始めた状態

でもこれは結局は表の顔であって裏にあるのは
pixiv社長がインタビューで語っていた現代アートの発表場にしたいという思惑だと思われる
この思惑があるからこそユーザーの苦情を放置してまで梅ラボを擁護したり
村上隆を呼んで写真なのにランキング1位にならせてみたりしていたわけで
これらを現代アートの常連ランカーとして呼び水につかい
発表場としてユーザーを呼び寄せたいという思惑があり続ける以上
写真はダメ、と言い出せないしコラージュがダメとも言い出せない
(現状写真コラージュをアップすると運営削除されますが)
ひっそり梅ラボや村上隆の作品から現代アートのタグを外したのも
タグによるランキングロックをかけてる為ランカーになれなくなるからで
運営は現代アート嵐が去ったらランクロックを外して再デビューさせる心積もりなのでしょう

しかし問題はここで嵐と思っている人たちが実際には楽しくてやっているだけであり
たとえある程度鎮静化してもちょっとした切欠があれば再燃する
嵐のような彼らは元々イラストコミュニケーションを体現するような集団であり
誰かが作品をアップするとすぐさまそれに呼応したネタで別の人が作品をアップする
リアルタイムに作品で会話をし続けたせいで画像掲示板を追い出された集団なのです
いま現代アートタグは彼らの会話で構成されていてどこかにブレインが居るわけでもない
ただ個々人が作品による会話を楽しんでいるだけなのです
ちょっとでも楽しいと思った人が同じようにコラボレーションした作品を上げてみれば
それに呼応して流れが出来ることに気づき、作品による会話方法を知った人は
もう彼らと同じように、作品で会話する方法が対話手段の一つとして感染し、確立してしまう
一たび同じようなムーブメントが起きれば呼応する大勢の中の一人になってしまうのです
これは奇しくもカオスラウンジ宣言にある

そこは常に、膨大に、匿名的な想像力がうずまき、作品未満の作品、コンテンツ未満のコンテンツが現れては消える場所であり、にもかかわらず、作者性に目覚めてしまった有象無象の集う場所である。 増殖を続けるアーキテクチャは、アートの神秘性を認めない。そこでは、すべてが可視化され、分類され、操作可能となる。 内面などない。知性も感性も、すべてはアーキテクチャ上で、システマチックに組み立てられてゆく。

の体現なのです
現代アートタグは事実上彼らの対話手段になっていて
彼らを追い出すには彼らの対話手段を禁止するしかなく
pixivが絵描きより現代アートを優先したいと思っている限り根絶は不可能で
ちょっとした切欠で再燃する問題として今後ずっと抱え込むことになると思われます

久々に長文書いてみた

追記
色々なところで言われてはいるけれど今回の出来事の補足的なものにリンクを
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/derek_sivers_how_to_start_a_movement.html
http://togetter.com/li/164101
http://togetter.com/li/162335
http://blog.livedoor.jp/hutabatosiaki/archives/1599988.html
最初の方だけ読めば十分わかるよ!
ただまぁ経緯は上のリンクだけれど本質は今回の記事にあると思うのです
カオスラウンジがどういう志なのかというのをカオスラウンジの側から見たい人は
http://togetter.com/li/155479
http://aar.art-it.asia/u/admin_edit1/1Nztk67sP3ZvIjUiWOLd
上が要約、下が原文です

きっと何も成しえない僕たちへの鎮魂歌

やっとちょっと元気出てきた

DC-210N買いました
同人誌23冊スキャンするのに7時間かかった
結構厳しい

PSPシュタインズゲートクリアした
アニメのネタバレが怖くて先にクリアしてしまった
幾つか気になる謎が残ったものの結構面白かったです

結構仲がいいと思っていた知り合いと疎遠になった感じというか
雑談できるネット友達とか居なかったので寂しい

輪るピングドラムを見た
10年経っても何も衰えてなかった、嬉しかった
ウテナより短いみたいだけれど2クールはあるらしい
楽しみ

Blender2.5マスターブックを手に入れた
また楽天ブックスとAMAZON売り切れだったところに
前回ガイドブックを買った楽天のムック屋で購入
送料無料が可能でちゃんと入荷してすぐ届いた
届いたばかりでまだ読んでないけれど
しっかり2.5系の勉強していきたい

元気出していきたい

日記とか

お返事以外でメールってあんまり貰ったことが無くて
この間突如ばんだべっけんさんからメール貰って嬉しかったりした
誕生日にメールくれーってここで言ってぬさーさん他に貰った以来かな
それ以前となると数年前に外人さんから質問メールが来た位だろうか
拍手はたまに貰えてとても嬉しい
メールに比べると敷居が低くて送りやすいってのもあるのかな
元々あまり人が来てないから分母が小さくて
メッセージを送る人というのが少ないのかなと思うことにしてる
もっと頑張って人が楽しめるページにしたい

PSPのシュタインズゲートを予約してみた
貰ったお金で細々同人誌や漫画を買って過ごしていて
PSPはセカンドノベル読了以後自作動画再生機になってたけれど
ゲーム久々に頑張れるかなと思ったら充電用アダプタが行方不明だった
届く前に探しておきたい

コンテナ6つ分に貯まった同人誌14年分くらいをどうにかするべく
コミケの予算確保できたらDC-210Nを買おうかと考えています
ここの動画みるに同人誌くらいの厚さならこれで十分そう
中古で買ったScanSnap S510をもうちょっと役立てたい

ここ何年も出かける元気が全然なくて
年二回のコミケ以外では家族と食事に出るくらいで
自分ひとりで出かけるのは病院行くとき程度という状態なのを
どうにか遊びに出られる位にはしたいなぁと思っている
一時期のように完全に寝込んでPCの前にも行かない程ではなくなったので
3Dモデル弄れるようにはなったし、アニメもちょろちょろ見られるようにはなって
放っていても改善することもあるかなーと楽観的では居るんだけれど
もうちょっと元気になりたいねー