某所でキューバが話題になって
社会主義と民主主義が対になっているように思われているのを見て
すごく昔ここのページで共産主義と社会主義の違いやらなにやら
いろいろ知ったけど面白くないだろうから書かないと言ったけど
多少面白可笑しく書ければなと
にわか知識なので間違いかもなので話半分に聞いてください
国の状態を表す主な要因として3軸あって
独裁主義<>民主主義
無政府主義<>国粋主義
中央計画経済<>自由市場経済
民主主義の対は独裁主義であって社会主義、共産主義ではないです
社会主義はここで言う中央計画経済の軸が計画経済寄りの国で
共産主義は社会主義からさらに無政府主義へ寄った国を指します
社会主義的な国は現代にもいくらでもありますし
実現はしませんでしたが、共産主義は最終的には独裁せず
国は資本主義的に限界に達して社会主義化し共産主義独裁を経て
民主的共産主義に至る、と共産主義者は説いていました
本来の意味での右翼左翼も、国粋主義・無政府主義の軸を指すもので
社会主義とはまた別です
例えば国家社会主義労働党、なんて漢字で書くと一見左よりに見えますが
ナチスドイツといえば国粋主義の党です
国家社会主義は国粋主義で中央計画経済です
同様にイギリスのブレア首相なんかの労働党は
社会民主主義という民主主義で中央計画経済の党です
想像してごらん、国境なんて存在しないと
なんてフレーズで有名なジョンレノンは当時左翼のくくりに当てはまらず
新左翼などといわれましたが
包括的なこの軸表に従えば左翼的、つまり無政府主義を指します
大きな政府小さな政府というのもこの軸であらわせば介入規模なので
大きい=計画経済、小さい=市場経済です
ここで重要なのはどの軸をどこに重きを置いているからといって
それが優劣をあらわさない、という事です
経済規模の小さい国においては計画経済のほうが市場経済より良い場合も多いです
計画経済は規模が大きくなると末端の多様なニーズに対応しきれませんが
小さいうちは自由市場という荒波にもまれるとあっという間に大国に潰されてしまいます
有名なチャウシェスク政権でさえ、革命10周年の時点での国民アンケートでは
60%以上の人がチャウシェスク時代のほうが良い生活だったと答えています
無政府主義と国粋主義、どちらが優れているかというのは余り意味が無いと思います
無政府主義者が国を腐らせることもあるでしょうし
国粋だからといって国のためになるかというのは別問題です
そもそも無政府主義は国を超えた全体主義ですし
独裁と民主、どちらが良いか、今でこそ民主主義を広める、といって
世界中の独裁国へ民主主義を布教していますが
国が幼い、成熟していない国にとっては独裁のほうが良い場合もあります
多くの場合独裁が世襲で続くことに弊害が多いだけで
一時の独裁は必要な場合もあるでしょう
キューバは本来の共産主義を目指す社会主義をやめてしまった国です
観光資源、人的資産の育成など公共投資を計画的に行って
周辺の資本主義国にお金を落としてもらう、という形の国なのです
本来の社会主義は共産主義に至るための途上であって
マルクスやらレーニンやらが見たら嘆くような国かもしれないですが
これはこれで十分今の世界情勢から見ればありだと私は思います
実のところ本来の共産主義思想においては独裁の世襲などありえません
最も優れた独裁者を国民から選出し、それに当てるのが正しいあり方です
ソビエトの末期において、本来の計画経済をより推し進めるために
ゴルバチョフ書記長が「グラスノスチ」といって経済の透明化を進めました
当時のソビエトは富の再分配において不透明な部分が多く
それを透明化し正しく分配し国民が納得できる社会主義を目指しましたが
実際のそれを阻んだのはソビエト共産党の利権でした
日本はかなり無政府主義的で計画経済の国でした
教育でも無政府主義的立場をとることが先進的、進歩的であるとされていましたし
経済のほうも公共投資など政府による計画経済をとる国でしたが
最近になってそれらが国粋的、市場経済的に傾いてきています
念を押したいのはどちらが優れているというわけでもない、という事です
執り行う人や国がどう動かすか、その良し悪しこそが評価される点なのです
私のような人間だとどうしてもある軸において
重きがあることが優れているような錯覚にとらわれてしまいますが
印象に惑わされないようにしなくちゃいけないな、と思ったとか思わないとか